開催趣旨
計算機の発展により、化学と分子生物学に情報と計算技法が活用されるようになっておよそ30年が経ち、計算化学、情報化学、Bioinformatics などと呼ばれる専門領域に発展し、化学や分子生物学を基礎とする薬学、基礎および臨床医学、農学、海洋科学、環境科学など、関係する分野を広げている。一方で、独立した学問領域、あるいは職の機会としてみると、伸び悩んでいるようにもみえる。これは、とくに若手研究者にとっては、軽視できない状況である。
一方で、ゲノム解読とそれに随伴する装置や技法の進歩とICT(情報通信技術)の進歩は猛烈であり、生物医学の基礎研究の成果を臨床に移転することや、新薬開発への期待が高まり、そうしたフロンティアでは、情報計算化学や Bioinformatics の専門家への期待が高くなっており、職の可能性も拡大している。
ただ、こうした複合融合領域では、新しい知識や技法の浸透と拡散も早く、仕事の様相も急激に変化している。また、そうした領域で働くには、異なる領域の専門家と深い対話ができる学際性が要求される。このような人材を養成することは、現在の大学や専門学校での教育や、伝統的な企業内教育や仕事を通じての学習(OJT)では難しいことが多く、新しい発想が求められている。
このワークショップでは、この問題を解決するために、(1)ネット上の既存のオープン講義の活用、(2)通常の対面による講義だけでなく、ネットを活用したWebinarなどの活用、(3)ネット上の演習環境の構築と教材の開発、(4)学会などを通じたアカデミアと企業が協力できるようなコミュニティの構築、などについて考えてみたい。 アカデミアだけでなく、製薬企業やSolution企業における人材養成に関心をお持ちの方々の参加も期待している。
プログラム(多少の変更がありえます)
16:00-16:05 挨拶:開催趣旨説明 16:05-16:30 「英語によるBioinformaticsオープン教育の経験」
皿井明倫(九州工大)16:30-16:55 「“Pathway/Network to Disease/Target時代“の人材養成」
川原弘三(ワールドフュージョン)16:55-17:20 「FMOの計算環境と教材開発」
中田吉郎(群馬大)17:20-17:30 「討議とまとめ」
薬の研究開発の情報交換サイト”CADU Platform”構築と人材養成
神沼二眞(CBI学会特別顧問、サイバー絆研究所)
配布資料
会場での資料配布は行いませんが、この開催趣旨の裏づけとなる「背景資料」をワークショップの資料として、印刷してお持ち下さい。
≫≫背景資料
※生命医薬情報学連合大会では、4階のサテライトセッション、1階の企業展示ブース・ポスター会場のみへの参加は無料です。
※このサイトは、CADU Platform事業の事務局機能を担当するサイバー絆研究所 (事務局)が管理しています。