[.研究者のためのTutorial
2008.8.31
 このサイトでは、核内受容体Nuclear Receptorsと生活習慣病(メタポリック症候群)Metabolic Syndromeの研究を専門としていない研究者を対象として、この領域の研究状況を理解し、関心をもってもらうことを目的とする。そのために、ここでは一般の読者を対象として教養書的な入門書から、専門家のための解説書、および優れた総説を紹介する。

全体の入門書
香川靖雄, 生活習慣病を防ぐ, 岩波書店, 2000
瀬名秀明、太田成男、ミトコンドリアのちから、新潮社、2007

Hormoneについて
 核内受容体は最初、内分泌ホルモンの受容体として発見された。古典的なホルモン研究の歴史を理解することは、核内受容体の理解する助けになる。下記の総説は、参考になる。
*J. R. Tata, One hundred years of hormones, EMBO Rep. 6(6): 490-496, June; 2005

Metabolism とBioenergeticsについて
 メタボリック症候群は、多細胞動物(後生動物)の物質代謝とエネルギー代謝(変換)に関わる疾病症状である。ゆえに、その理解には、生命系における物質代謝とエネルギー代謝(変換)に関する基本知識が必要になる。これについては、下記の2冊が比較的新しいセンスで書かれた本として参考になる。McMurryらの本は、化学の視点から書かれた生命現象の入門書であり、学部学生用の配慮がなされている。Nelsonらの本は、生化学の教科書として著名なLehningerの本を、最近の経路網などの視点を入れて大幅に書き直したもので、新旧のセンスが感じられる。
J. McMurry, M. E. Castellion, Fundamentals of General, Organic and Biological Chemistry (4th), Pearson Education, NJ, 2003
D. L. Nelson, M. M. Cox, Lehninger Principles of Biochemistry (4th), Freeman, 2005.

Nuclear Receptorについて
加藤 茂明(編)、受容体がわかる、羊土社、2003.
松本 俊夫、加藤 茂明(編)、SERMのすべて、メディカルレビュー社、2005.
太田 博明、加藤 茂明 他(共同編集)、SERM 2005 No. 2 Selective Nuclear Receptor Modulator,メディカルレビュー社、2006.

Metabolic Syndromeについて
下村伊一郎、松沢佑次、メタボリックシンドローム 病態の分子生物学、南山堂、2005.
春日雅人、生活習慣病がわかる、羊土社、2005.
春日雅人編、解明が進むメタボリックシンドローム、羊土社、2007.
鍋島陽一、今井眞一郎(企画)、老化とメタボリズム制御の理解, 羊土社、2007
最新医学 62巻4号(通巻773号)、特集 糖尿病の新しい治療戦略, 2007.
最新医学 62巻10号(通巻781号)、特集 内分泌代謝疾患と核内受容体, 2007.
門脇孝、岩本安彦、メタボリックシンドロームup to date(日本医師会生涯教育シリーズ)、日本医師会/協和企画(港区), 2007.
酒井 寿郎 /企画, メタボリックシンドロームの鍵因子, 羊土社、2008