サイバー絆研究所 - Institute for Cyber Associates(ICA)

<サイバー絆研究所 研究講演会のご案内>

講演会資料ダウンロード
追加資料1ーAnson氏 要旨
追加資料2ー神沼資料

「創薬におけるiPS細胞からの分化誘導細胞とスクリーニング」
※終了しました
今後、関連講演会を予定しておりますので、ご参加をお待ちしております。

日時: 2013年2月13日(水) 13:30-16:30
会場: 株式会社シード・プラニング
(東京都文京区湯島3-19-11, 湯島ファーストビル4F)会議室
開催者: CADU Platform フォーラム(任意団体CBI学会)、オミックス医療研究会

世話人:神沼二眞(サイバー絆研究所)、堀内正(慶応大学)、田中博(東京医科歯科大学)

参加費:5,000円(※)
 ※下記、会員は無料です。
・スクリーニング学研究会    ・CBI学会
・創薬ロボット懇話会    ・オミックス医療研究会

◆こちらからお申込みください >>申込みフォームー締め切りましたー


開催趣旨:

iPS細胞技術は、損傷された組織を復元させるというような再生医療だけでなく、従来の医薬品の研究開発を革新する可能性を秘めており、こうした方向への研究が加速されている。とくに注目されているのが、高速スクリーンニング(HTS)の質と効率を飛躍的に向上させる可能性である。この講演会では、京都大学の山中伸弥教授らの技術を実用化することをめざして設立されたiPSアカデミアジャパン株式会社の開発部門の責任者と、米国のベンチャー会社の研究者にこの分野の現状を解説していただくこととした。後者の企業は、ES細胞作成に成功した米国のウィスコンシン大学のJames Thomson教授らによって設立された企業であり、ES細胞の分化誘導等の技術を有し、さらに独自の方法でiPS細胞の実用化をめざして先端的な研究を行っている。得がたい機会なので、創薬のためのスクリーニングを担っている製薬企業の研究者を始め、この領域に関心にある幅広い研究者の来聴を歓迎する。

プログラム

13:45-14:00 開催趣旨と挨拶
14:00-14:45 iPS細胞の技術が創薬を変える
   早乙女秀雄(iPSアカデミアジャパン株式会社)
14:45-16:00  iPS細胞は、スクリーニングをどう変えるか?
   Blake Anson(Cellular Dynamic International)
16:00-16:20 総合質疑
16:20-16:30 会の挨拶と名刺交換

(通訳はありませんが、質問は日本語にも対応します。)


背景説明

1.創薬へのiPS細胞の応用について
下記の論文に、山中グループの見解が簡潔に紹介されている。 (1)H. Inoue and S. Yamanaka, The Use of Induced Pluripotent Stem Cells in Drug Development, Clinical Pharmacology & Therapeutics, 89(5): 655-661, 2011.
2.創薬におけるHTSのボトルネックについて
 HTSは、標的の選択に次ぐ、医薬品開発の重要な過程である。HTSの改良は、アッセイ装置の超小型化Miniaturizationや高速化への努力と共に、false positive/negativeを減らす質の向上に向けた努力がなされている(2)。健常者や疾患患者から作成されたヒトiPS細胞の使用は、現在の壁を破る技法であることが期待されているが、十分な数の細胞を揃えることなど、実用化へのスケールアップには、まだいくつかの障害がある。そうした障害をどう克服するかの競争が始まっている。最初の実用化は、心疾患や心筋細胞への毒性の試験であり、神経系疾患の治療への応用がそれに続いている(3)。
(2)L. M Mayr and D. Bojanic, Novel trends in high-throughput screening, Current Opinion in Pharmacology, 9:580?588, 2009.
(3)D. Rajamohan et al., Current status of drug screening and disease modelling in human pluripotent stem cells, Bioessays, On-line, 2012.
3.iPSアカデミアジャンパン株式会社について
 山中教授らのiPS細胞の知財の管理とその技術を、創薬、臨床応用に移管するために2008年(平成20年)に、民間の出資を仰いで京都大学の子会社として設立されたのが、iPSアカデミアジャンパン株式会社である。この会社は、京都大学の寄託を受けてヒトiPS細胞(hPSC)を企業に提供することや、維持培養体験のコース(実習プログラム)の実施、創薬向けへの心筋細胞や神経細胞等の分化誘導の提供、iPS細胞と分化誘導法の研究サポート、さらにiPS関連機器の開発と、関連機器のウエットショールームを設けての普及活動などを行っている。日米で創薬とベンチャー立ち上げの成功体験を有される早乙女秀雄氏は、現在、同社の事業開発および営業を統括されている。
4.Cellular Dynamic International社について(http://www.biotechprofiles.com/)
 アンソンBlake Anson博士が所属するCellular Dynamic International, Incは、山中教授と同日(2007年11月21日)に、ヒトiPS細胞の樹立を発表した米国ウィスコンシン大学のJames A. Thomson教授らが、それより前、同大学のあるマデイソンに、2004年に設立した会社で、最初はiPS Cells Incと称していたが、2008年に現在の社名に変更された。現在、同社はiPS細胞から誘導したiCell Cardiomyocytes 心筋細胞、iCell Neurons神経細胞, iCell Endothelial Cells内皮細胞の提供を製薬企業、アカデミア等に行っている。このうち前者の2つは、薬の有効性の研究や毒性のスクリーニング、生化学や電気生理学的なアッセイ、前臨床疾患モデルへの用途、後者は血管を標的として医薬品の開発や予測的な疾患モデルとして使われている。また現在はiCell Hepatocytesなどの作成を試みている。同社は大手製薬企業との研究提携を進めており、また昨年末にはNIHの再生医療センター(Center for Regenerative Medicine)から、700万ドル(約7億円弱)の研究費を獲得している。アンソン氏は同社の研究の最前線におられる気鋭の研究者である。

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