<ICA/CADU Alliance Visionary Seminar Series>
連続セミナー「薬づくりの新しいR&Dモデルを探る」
製薬産業は国際的競争力のある成長産業と期待されているが、一方で危機に陥っているとも言われている。
その危機を打破する提言がなされているのが、最近訳本が出された「薬づくりの未来」だ。
この本を参考に、我が国の薬づくりについて、とくにICTの視点を踏まえて考える。
    日時 テーマ 世話人
第1回 2014年
7月22日(火)
訳本「薬づくりの未来」の提言と我が国の状況  堀内 正、多田幸雄、神沼二眞
第2回 8月29日(金) 新発想のオープンコラボレーション 坂田恒昭、堀内 正
第3回 9月9日(火) 社会に開かれた薬づくり 田中 博、坂田恒昭
第4回 9月25日(木) ICT活用のフロンティアと求められる人材 多田幸雄、中井謙太、田中博、神沼二眞
CBI大会 10月29日(水) 薬づくりの新しいR&Dモデル−その1〜新しい動き 神沼二眞、多田幸雄、堀内 正、
坂田恒昭、田中 博、中井謙太  
CBI大会 10月30日(木) 薬づくりの新しいR&Dモデル−その2〜行動に向けて
第5回 10月31日(金) 創薬プラットフォームとしてのiPS細胞技術応用の進展 中井謙太、堀内 正、田中博、神沼二眞
第6回 2015年
1月8日(木)
トランスレーショナルリサーチを加速する〜研究者の視点から 本シリーズ世話人
第7回 4月22日(水) 新しい薬づくりと明日の精密医療 Precision Medicine 神沼二眞、多田幸雄、堀内 正、坂田恒昭
鈴木蘭美、田中 博、中井謙太
<中間報告> これまで得られた知見とこれからの計画
第8回 8月7日(金) 薬づくりとヘルスケアにおける個人情報の扱い〜その基本的課題  生島裕、田中 博、中井謙太、神沼二眞
第9回 8月19日(水) がんの精密診療 (Precision Oncology) 実現への課題 中井謙太、多田幸雄、堀内正、坂田恒昭、鈴木蘭美、田中博、神沼二眞
  9月2日(水) JASIS2015基調講演:講演とパネル討論による「オープンイノベーションによる薬づくりへの期待」JASIS2015先端診断イノベーションゾーン基調講演要旨集から引用させて頂きました
  9月3日(木) JASIS2015フォーラム2 「分析計測機器から溢れるデータからの知識生成:BD2K」
第10回 10月22日(木) 「免疫、炎症、腸内細菌と薬づくり」 植松智、中井謙太、多田幸雄、堀内正、坂田恒昭、鈴木蘭美、田中博、神沼二眞
第11回 2016年
1月15日(金)
「薬づくりと健康食品開発を結ぶ」 中井謙太、多田幸雄、根本直、田中博、神沼二眞
  9月7日(水) JASIS2016基調講演:「次世代ヘルスケアと薬づくり」
  9月8日(木) JASIS2016ライフサイエンスイノベーションフォーラム2「次世代ヘルスケアとデータサイエンス:ICT/IoTと人工知能が開く次世代ヘルスケア」
CBI大会 10月26日(水) フォーカストセッション「次世代ヘルスケアをめざしたD2Kサイエンスのフロンティア」 中井謙太、神沼二眞
後援・共催: CBI学会、日本オミックス医療学会、日本バイオインフォマティクス学会
参加費:各回3,000円の予定(各回の案内参照)
シリーズ全体の世話人:神沼 二眞(ICA)、多田 幸雄(東京大学創薬オープンイノベーションセンター)、堀内 正(慶応大学医学部)、坂田 恒昭(塩野義製薬、大阪大学)、鈴木 蘭美(エーザイ)、田中 博(東京医科歯科大学)、中井 謙太(東京大学医科学研究所)

※このシリーズは情報と意見交換と討議、人的交流を重視しています。
そのために、資料を事前に用意しますので、ご関心のある方は早めに予備登録してください。
また、この企画へのご意見や支援も歓迎いたします。(連絡はこちらからお願いします)
基本文献と資料
薬づくりの真実 薬づくりの未来 薬づくりの新しいR&Dモデル
 ≫≫ シリーズ背景資料(PDF)
 ≫≫ 7月22日 第1回「神沼講演資料」
 ≫≫ 8月29日 第2回「参考資料」
 ≫≫ 9月9日 第3回「参考資料」
 ≫≫ 9月9日 第3回「追加発表資料『医療のディジタル化と精密化とビッグデータ』
 ≫≫ 9月25日 第4回「参考資料」
 ≫≫ 9月25日 第4回「参考資料2」


レポート作成
準備中

≫日経BP書店
≫amazon
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開催趣旨:
  このセミナーの世話人らは、2008年に翻訳書、「薬づくりの真実」を、CBI学会から刊行したが、今回同じ著者らの「薬づくりの未来」**を翻訳した。後者は、日経BPから刊行されている。近年、我が国のアカデミアの研究者たちや国の研究機関の間で薬づくりへの関心が高まっている。だが製薬会社の内部にいない者には、その実態があまり理解されていない。最初の翻訳書を学会として自主刊行した動機は、そのギャップを埋めることだった。その姉妹編というべき今回の本では、薬づくりの国際的なプレヤーであるビッグファーマが、リスクが高く収益をうるのに長い時間がかかる事業を回避する方向に大きく経営の舵を切り、それによって社会が本当に必要とする薬の開発が難しくなってきた現状を警告し、それにどう対処すべきかが提案されている。このような状況は、経営効率をあげるために解雇されている研究者にとっても危機になっている。 現在、我が国では医療機器や医薬品産業を国際的な競争力のある産業に育てようと、国が積極的に関与している。そうした国の政策には、どの様な成果が期待できるのか。また、ビッグファーマと同じような経営姿勢の変化が、我が国にも波及してくるのか(あるいはすでに波及しているか)。コストダウンが続くシーケンス技術や、細胞のリプログラミング技術の創薬や細胞(組織)移植治療への応用、抗体医薬の進歩は、薬づくりをどう変化させているのか? 「薬づくりの未来」を基本参考文献とするこのシリーズでは、そうした環境下での、薬づくりの新しい研究開発モデル、新しいフロンティア、新しい専門家、新しいパートナーシップ、関連する新しいビジネス、新しい雇用の機会などを、講演や提言や討議によって明らかにしていくことを目的としている。「薬づくりの明日」に関心をもっている研究マネジャー、情報計算技法の応用の視点から関心をもっている研究者、投資家、その他この産業に関わる幅広い関係者の参加を期待している。

*「薬づくりの真実~臨床から投資まで」(日経BP社より7月18日新装版発売予定):Bartfai T and Lees GV (2006) Drug Discovery: from Bedside to Wall Street. Elsevier/Academic Press: Amsterdam.
**「薬づくりの未来〜危機を打破するR&D」、日経BP社、2014年:Bartfai T and Lees GV (2013) The Future of Drug Discovery: who decides which diseases to treat? Elsevier/Academic Press: Amsterdam

世話人を代表して 神沼二眞、多田幸雄、堀内正    

世話人プロファイル

神沼 二眞(かみぬま つぐちか)
自然科学と情報計算学の境界領域の研究者。東京都臨床医学総合研究所、国立医薬品食品衛生研究所を経て、大学院教育や人材養成にも関わる。薬や毒性研究への計算機の活用をめざす情報計算化学生物学会(CBI学会)を1981年に設立。その後30年、運営に関わる。専門論文、著書、訳書多数。現在、NPO法人サイバー絆研究所の責任者。

多田 幸雄(ただ ゆきお)
岐阜薬科大学、大鵬薬品工業株式会社を経て、東京大学創薬オープンイノベーションセンター研究員。抗がん剤の開発と計算機を使った精密なドラッグデザインを専門とする。CBI学会の会長など歴任。

堀内 正(ほりうち ただし)
第一製薬創薬開拓研究所長を経て、現在、慶應義塾大学医学部で実施されている戦略的創造研究推進事業(末松ガスバイオロジーPJ)の博士研究員・技術参事。製薬会社によるスプリング8のビームの共同利用(蛋白質構造解析コンソーシアム・幹事長)やCBI学会法人賛助組合の代表など産学連携に関わる。

坂田 恒昭(さかた つねあき)
塩野義製薬研究所入社、現在、同社グローバルイノベーションオフィス シニアフェロー、大阪大学大学院客員教授、 神戸大学大学院客員教授、徳島大学客員教授、JST研究開発戦略センター ライフサイエンス・臨床医学ユニット 特任フェロー、大阪商工会議所ライフサイエンス振興委員会 副委員長、特定非営利活動法人 近畿バイオインダストリー振興会議 副理事長などを兼務。製薬業界におけ るオープンイノベーション、特に産学連携が専門である。

鈴木 蘭美(すずき らみ)
医学博士 上席執行役員 エーザイ株式会社 グローバルビジネスディベロップメントユニット ECL プレジデント
1999年にロンドン大学(University College London)で博士課程を修了し、インペリアル大学(Imperial College)で乳がんの研究を行う。三年間ライフサイエンス領域のベンチャーキャピタリストとして働いた後、2004年にエーザイ欧州に入社。2006年にエーザイ本社に移動し、現在、M&A、導入導出、開発費用外部資金調達、アライアンス、並びにオープンイノベーションを担当。ライフワークは、がんの完治と認知症の予防。

中井 謙太(なかい けんた)
京都大学化学研究所、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所、大阪大学細胞生体工学センターを経て、現在、東京大学医科学研究所教授。
DNAシークエンス情報のコンピュータ解析に取り組んできた。近年はその経験を再生医療や個別化医療などに活かせないかと奮闘中。

田中 博(たなか ひろし)
東京大学、スウェーデン ウプサラ・リンシェーピング大学客員研究員、浜松医科大学助教授、米国マサチューセッツ工科大学 客員研究員、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学難治疾患研究所生命情報学分野教授、東北大学東北メディカル・メガバンク機構客員教授 兼任。

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